現代の若者に多く見られる特徴!

現代の若者の、体格、顔面、歯列、顎関節などにみとめられる共通の特徴について詳しくまとめてみます(筒井昌秀、照子著、クインテッセンス出版 包括歯科臨床 から 引用) 。

●体格
背が高く胴が短く顔が小さい。足が長く筋肉はついていない。姿勢が悪い。頬杖をつく。

●顔面
上下顎骨が後退し鼻が高い。顔の横幅、とくに下顔面がせまく、長い(逆三角形)。皮質骨が薄く、骨密度が低い。咀嚼筋が細く弱い。上下顎骨が小さく狭い。下顎骨は「し」の字型。下顎角が大きい。下顎が非対称。短顔型が減少(長顔型の増加)。

●歯列
叢生、開口の増加。 舌低位

●歯槽骨
皮質骨が薄く、骨密度が低い。

●歯
先天的欠場の増加(第三大臼歯、側切歯、第二小臼歯、第二大臼歯など)。上顎中切歯の巨大化。上顎側切歯の矮小化。
上顎第二大臼歯舌側近心咬頭の巨大化、遠心咬頭の矮小化。臼歯部の叢生。上顎第二大臼歯の頬側傾斜および下顎第二大臼歯の舌側傾斜による干渉(B斜面)の増加による下顎の偏位、片側(干渉が存在しない側)咀嚼。第二小臼歯の埋伏傾向。
叢生が著しい例では、犬歯が低位唇側転位あるいは側切歯の歯根を吸収しているものもある。

●顎関節
関節頭が発育不全で小さいため関節空隙が広く、関節頭の動きにアソビが多い。咬合力が弱いこともあり、頬杖や舌緯の不正、唇の悪習癖など外力の影響を受け下顎が偏位しやすい。

●歯周組織
死肉がうすく、付着歯肉が狭い。靭帯が弱く口呼吸による歯肉の炎症が見られる。

●口唇
口唇を巻き込む癖、かむ癖の増加。口呼吸による口唇の弛緩。

●態癖
主に、頬杖や睡眠態癖が及ぼす影響は多大で歯列のアーチの変形、歯の舌側傾斜、叢生、スピーの彎曲の増加、顎位の偏位などが引き起こされている。

以上のような、現代の若者に共通して見られる特徴についてをよく理解、把握して、診断、治療にのぞむことが肝要である。

治療変化(長顔型にみられた関節円板転位)

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筒井昌秀、照子著、クインテッセンス出版 包括歯科臨床 から 引用

治療前の状態については,昨日、くわしく説明いたしました。 

典型的な長顔型で、右側の関節の復位性関節円板前方転位の症例です。

まず、図に示すようなリポジショニングスプリント(後方に落ち込んでしまった右側の下顎頭を前方に引き出し関節円板にのせるための装置)を装着してもらいます。装置を装着している時は下顎が前方に位置して正常になりますが、装置をつけていないと、すぐに下顎が後方に落ち込んでしまい、右側の関節円板が前方に転位してしまいます。

そこで、、リポジショニングスプリントを装着していなくても、下顎が正常な位置に保持されるような咬合を矯正治療にて再構築いたします。

唇側に傾斜した上顎前歯を舌側に傾斜させるためのスペースを作る目的で、狭窄した上顎の歯列弓を拡大します。その後、マルチブラケット装置にて、歯を配列します。

左側は、正常なclassⅠの関係を確立することができましたが、右側はどうしてもclassⅡ関係になってしまい、下顎が後方に落ち込んでしまいます。

そこで、図に示しますようにハイブリッドの超硬質レジン冠を右側臼歯部に装着して咬合を挙げて下顎が後方に落ち込まないようにしました。

右側の関節円板前方転位では右側の関節頭の動きが制限されるため健側(正常な側)である左側での咀嚼がしにくくなります。
そこで、左側咀嚼経路の切歯点の動きの術前、術後の変化を図に示します。

術前は右側の関節頭の動きが悪いので、開口時、切歯点は右に引かれています。上顎左側第二大臼歯が頬側、、下顎左側第二大臼歯が舌側に傾斜しているために生じたB斜面での強い干渉のため咀嚼幅が狭くなっています(a)。

矯正治療後は左側臼歯部の干渉が除去されたために咀嚼幅は広がっています、しかし、右側の関節円板前方転位と下顎頭の後退は改善していないために、開口時に切歯点は、まだ右に引かれます(b)。

そこで右側臼歯に歯冠修復をして、右側下顎頭が後方に落ちこまないようにしてあげると、咀嚼幅は(b)よりもさらに広がり、開口時の切歯点の右側偏位は改善されています(c)。

最近、この症例のように長顔型で咬合力が弱く、関節にトラブルをかかえている若者が増加する傾向があります。現代の若者の特徴を十分把握した上で、診断や治療をおこなうことが肝要と考えられます。

 

長顔型にみられる関節円板転位

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長顔型で顎関節に問題がある症例について、筒井昌秀、照子著、クインテッセンス出版 包括歯科臨床 から 引用して検討してみます。

典型的な長顔型で、右側の関節の復位性関節円板前方転位の症例です。来院の1ヶ月前には開口時に疼痛が認められ、スタビライゼイションスプリント にて疼痛が緩和した時点で来院しています。

下唇をかむ癖のため上顎前歯が唇側に傾斜しています。左側の頬杖の習癖のため左側歯列弓が舌側に狭窄して、歯列が左側でフラットになっています。

長顔型によくみられる臼歯部の萌出スペース不足のため上顎左側第二大臼歯が頬側に、下顎左側第二大臼歯が舌側に傾斜しています。左側上下顎第二大臼歯の位置異常のためB斜面でd強い干渉が認められます。この干渉および下唇を上顎前歯の後ろに巻き込む癖のため特に右側の下顎頭が後方に押し込まれて関節円板が前方に転位しています。右側の関節円板前方転位のため健側(正常な側)の左側での咀嚼がしにくく、結果として、右側(患側)の片側咀嚼が認められます。

経頭蓋単純撮影の写真から長顔型の症例に典型的な下顎頭の劣成長が認められます。咬合力が弱く、頬杖や舌を巻き込む癖、咬合干渉などの外力が下顎骨に作用すると下顎骨は容易に偏位してします。この症例では右に偏位しています。

右関節円板が復位した位置で安定してかめるような咬合を矯正治療にて再構築します。顎が後退しないような咬合に再構築することが治療目標となります。

 

 

短顔型にみられる臼歯部咬合崩壊

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短顔型の方では、咬合力が強く、咀嚼運動は水平的で、臼歯へ過大な側方力が作用する傾向が強くなります(外傷性咬合)。糖尿病などの疾患に加え、歯の口腔衛生管理がうまくできていないと、外傷性咬合が促進因子となり歯周炎、歯槽膿漏が重度に進行し歯が失われます。

臼歯がうしなわれ臼歯での咬合支持がなくなりますと咬み合わせを前歯のみで支えることとなり、前歯の咬み合わせは深くなり(過蓋咬合)上顎前歯は唇側に過度に傾斜してきます(フレアアウト)。

下顎頭に作用する力も強くなりますが、短顔型の下顎頭は十分に発育しているため関節部の『ゆるみ』や『がた』は少なく、関節円板が偏位する場合は少ないのですが作用する力に耐えかねて関節円板が穿孔し関節雑音が認められる場合も少なくありません。

治療ではスタビライゼイションスプリントを装着して、関節に作用する力を緩和します。臼歯部の咬合をあげて、前歯部の過蓋咬合を改善し、上顎前歯のフレアアウトをなおします。

筒井昌秀、照子著、クインテッセンス出版 包括歯科臨床 から 引用

 

 

顔面の典型的な2つのタイプ(短顔型・長顔型)

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大きな個体差が認められる個々の症例で、顎機能障害を的確に把握するためには、図に示すような2つの典型的な顔面のタイプに分けて考えることが必要である。

短顔型(Brachy-facial pattern 図左)では下顎角が小さく顔の垂直成分が小さく下顎はL 型を示す。
咬筋の働きが強く、咬筋の肥大が認められる。咀嚼力が強いため歯の咬耗しやすく、その結果、咬合高径が低下し顎関節症状が発生する可能性が強い。

咀嚼パターンは水平的で側方成分が強いので、歯が側方圧を受けやすく外傷性に作用すれば歯が失われる可能性が高い。臼歯が失われると前歯の咬み合わせが深くなり上顎前歯が唇側に過度に傾いてしまう(フレアアウト)ケースも多く認められる。

下顎頭は大きく関節円板の転位は生じにくいが、低位咬合などによる関節円板に作用する力の増大により関節円板の穿孔などによる雑音が観察される可能性も高い。

長顔型(Dolico-facial pattern 図右)では下顎書くが大きく顔の垂直成分が大きく下顎は「し」の字型を示す。
咬筋の働きが弱い。
低位舌(舌が低位にある)により様々な形態異常が引き起こされる(舌が上下の臼歯の間に常に位置している場合は、臼歯部の開咬が引き起こされる。舌が前方に位置する場合は前歯部の開咬が引き起こされる)。気道が狭く口呼吸となりやすい。

下顎頭の発育が不十分なため関節かに対する下顎頭の大きさが小さく関節空隙は大きくなり下顎頭の動きに「がた」が大きくなる。片側がみや頬杖、咬合干渉など下顎頭を偏位させる因子があると関節円板が容易に転位しやすい。

最近の若者には長顔型が多く認められる傾向があり、以上まとめてきた特長を踏まえて矯正治療をおこなう必要がある。

筒井昌秀、照子著、クインテッセンス出版 包括歯科臨床 から 引用

下顎を前方に保ち異常下顎運動時の害を抑える咬み合わせとは?

先日まで、後方に落ち込みやすい下顎を前方に保つには、どのように上下顎の歯をかませたらいいのか?歯軋りなどの異常下顎運動が生じているときに、どのような咬合に仕上げておけば、その害を最小限に抑えることができるかについて書いてきました。
今日は、今までの、まとめをします

 【下顎を前方に保つための咬み合わせ】 
 
①上下顎第一大臼歯の咬み合わせ
classⅠで、しっかりと上下の第一大臼歯をかませることが大切です。下顎第一大臼歯の頬側の遠心咬頭の遠心斜面が上顎第一大臼歯の斜走隆線の近心斜面に接することにより、下顎が後方に落ちこむのが防止され下顎が前方に保持されます。

②上下顎小臼歯の咬み合わせ
上顎小臼歯の舌側咬頭の近心斜面に下顎小臼歯の頬側咬頭を確実に滑走させることにより、下顎を前方に位置づけることができる。

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③上下顎前歯の咬み合わせ
下顎の前方運動に際して、上顎前歯の舌面を下顎前歯の切端が滑走するので上顎前歯舌面の傾きが非常に重要となります。上顎前歯舌面の傾き(OG:Occlusal Guidance)が矢状顆路角(SCI:Sagital Condylar Inclination)より15°以上、急になると、前方運動において、下顎の後退が誘発されます。 incisorinc.gif

 【異常運動時に害を最小限に抑える咬み合わせ】
異常運動時にその害を最小限に抑えるには臼歯が離開するように咬み合わせを仕上げることが大切です。

①上顎前歯舌面の傾き
緩やか過ぎると臼歯が離開しにくくなります。

②スピーの彎曲
下顎の犬歯の尖頭から、小臼歯、大臼歯の咬頭をむすんだ彎曲です。前方や側方への異常運動で臼歯が離開しにくい症例ではスピーの彎曲を弱めにして、臼歯の離開をおこりやすくします。

③ウイルソンの彎曲
左右の頬舌咬頭を連ねた側方彎曲です。正常な個体では犬歯、第一小臼歯部で上に凸、第二小臼歯部で直線的、第一大臼歯、第二大臼歯部で下方に凸になっています。下方に凸の彎曲が強くなるほど、ウィルソン彎曲が強いと定義しています。彎曲が強いと臼歯のオクルーザルガイダンス(下顎臼歯の頬側咬頭が滑走する上顎臼歯の頬側咬頭の舌側斜面)の傾斜が緩やかになり、偏心運動時に臼歯が離開しにくくなります。すなわち、側方への異常運動で臼歯が離開しにくい症例では、ウイルソン彎曲を弱くして、臼歯のオクルーザルガイダンスを強くして、臼歯の離開を促します。

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(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照)

順次誘導咬合の役割??

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天然歯を観察しますと、側方運動時に下顎の機能咬頭(頬側咬頭)が滑走する上顎の歯の頬側咬頭の舌面の滑走面は第一大臼歯から、順次急になっています。

側方運動時、まず上顎第一大臼歯の誘導路により両側の第二大臼歯が離開します。次に第一大臼歯よりも急な第二小臼歯の誘導路によって両側の第一大臼歯以降の歯が離開します。このように、後方歯から前方歯にむかって徐々に傾斜が強くなる上顎歯の滑走面により側方歯群は後方から順次離開します。

最終的にはもっとも急な滑走面をもつ犬歯により誘導され、下顎のすべての歯が離開します(A)。

側方運動時の犬歯の舌面の傾斜は反対側の矢状顆路角(44°)に等しく、犬歯で滑走する際、閉口筋の筋活動がもっとも小さくなることが報告されています(B)。

以上のことから、矯正治療において、第一大臼歯から犬歯にかけての滑走面の傾斜の設定を注意深くおこなうことが大切だと考えられます。 (MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照)。 

スピーの彎曲、ウイルソンの彎曲の役割??

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スピーの彎曲、ウイルソンの彎曲はともに臼歯部に存在する彎曲で、強くなると下顎が前方運動や側方運動した際に臼歯が離開しにくくなります。

スピーの彎曲は下顎の犬歯の尖頭から、小臼歯、大臼歯の咬頭をむすんだ彎曲です。彎曲の強さ(スピーの彎曲の半径)は下顎頭から咬合平面までの距離(DPO)に逆相関しています。すなわち、DPOが短い乳歯列期では、スピーの彎曲の半径は長くなり、スピーの彎曲は弱いのですが、成長とともにDPOが長くなるにつれスピーの彎曲の半径は短くなりスピーの彎曲は強くなってまいります。このように成長につれて、スピーの彎曲が変化することにより、偏心運動(前方や側方運動)における臼歯の離開程度が調節されているのです(A)

ウイルソンの彎曲は左右の頬舌咬頭を連ねた側方彎曲です。
犬歯、第一小臼歯部で上に凸、第二小臼歯部で直線的、第一大臼歯、第二大臼歯部で下方に凸になっています(B)
下方に凸の彎曲が強くなるほど、ウィルソン彎曲が強いと定義しています。彎曲が強いと臼歯のオクルーザルガイダンス(下顎臼歯の頬側咬頭が滑走する上顎臼歯の頬側咬頭の舌側斜面)の傾斜が緩やかになり、偏心運動時に臼歯が離開しにくくなります。

ブラキシズムなどの異常な偏心運動時に臼歯が離開しないと、閉口筋の活動が高まり関節にも無理がかかります。ですから、偏心運動で臼歯が離開しにくい症例では、臼歯が離開しやすいように、矯正治療でスピーの彎曲やウィルソン彎曲を弱めに調整する必要があります。  (MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照)。

上顎前歯の役割は??

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下顎前歯は機能を考慮して、、閉口時に下顎の前歯の歯軸方向に力が作用するように、下顎頭の蝶番軸と下顎前歯の切端とを結ぶ線(closing Axis)に対して垂直に配置します。前後的にはA点とPogを結ぶAPOラインより約3mm前方、また上下的にはXiポイントとリップシール(上唇と下唇が接する点)を結ぶ線上に切端が一致するよう配置します。

適正に配置した下顎前歯を基準に上顎前歯を配置します。上顎前歯はAPOラインより4-5mm前方に位置させます(A)

下顎の前方運動に際しては、上顎前歯の舌面を下顎前歯の切端が滑走して臼歯が離開しますので、上顎前歯舌面の傾きが非常に重要となります。上顎前歯舌面の傾き(OG:Occlusal Guidance)は矢状顆路角(SCI:Sagital Condylar Inclination)と密接に関連しています(B)。OGは常にSCIより大きく日本人のSCIの平均は約44°、OGは、平均で約54°となります。

OGがSCIより15°以上、急になると、前方運動において、下顎の後退が誘発され、関節円板は前方に移動し、顎関節でクリック音が発現しやすくなると考えられます(C)。 (MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照)。

下顎前歯の役割は??

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今日は、下顎前歯が機能的咬合においてはたしている役割について書いてみます。


正常といわれる咬み合わせを有する個体を調べてみますと下顎頭にある蝶番軸()と下顎前歯の切端とを結ぶ線(Closing axis)に対して、約90°の角度で下顎前歯は萌出しています。この条件を満たせば、上下の前歯がかみ合ったとき、下顎前歯の歯軸方向(歯がはえている方向と平行)に力が作用することになります。歯軸方向に力が作用すると、歯が唇側や舌側に傾斜することはありません。

また上下的にはXiポイント()とリップシール(上唇と下唇が接する点)を結ぶ線上に下顎前歯の切端が一致しています(A)

前後的にはA点とPogを結ぶAPOラインより約3mm前方に位置しています(B)

垂直的には上顎前歯の舌側斜面のF1とF3を結ぶS1の領域で下顎前歯が接触する場合がもっとも安定します。この位置でかみあいますと下顎前歯の歯軸方向に力が作用して、下顎前歯は内側や外側に傾斜することなく安定するのです。

矯正治療で、咬み合わせが浅すぎて、F3とF2を結ぶS2の領域で接触する場合は咬み合わせが安定しないので注意を要します(C)。 (MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 参照)。

側方運動のかなめ、犬歯の役割

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重力のはたらきで、後方に落ち込みやすい下顎を前方位に保つために、大臼歯、小臼歯が重要な働きをしていることについて書いてまいりました。

今日は、犬歯の働きについて考えてみます。

類人猿の時代より、威嚇や攻撃に使われていた歯で歯根も長く、強靭な歯であった犬歯は(A)、現代では、その威嚇や攻撃といった役割を失い歯列の中に入り込み主に審美的な役割をはたしています(B)

一方、機能的には下顎が側方に動く時、下顎犬歯が上顎犬歯の舌面を滑走し、下顎の側方への動きは犬歯により誘導されます。

犬歯萌出前は、上下顎の側切歯と小臼歯が接触滑走して下顎の側方への動きが誘導されますが、犬歯萌出後は、犬歯が中心となって、下顎の動きを誘導するようになります(C)

犬歯がはえてくると、下顎の動きを誘導する働きが側切歯、小臼歯から犬歯へと移り変わりますが、犬歯が下顎の動きを誘導することに何か利点があるのでしょうか?

上下顎の犬歯が接触する場合、上下の小臼歯、あるいは、大臼歯が接触する場合と比較して、有意に咬筋や側頭筋などの閉口筋の活動が有意に減少することが報告されています。すなわち、ストレス発散のためおこると考えられている歯軋りなどの際、上下顎の犬歯が主に接触することにより、強大な閉口筋の筋活動が減少し、歯質や歯周組織の破壊に予防的に作用すると考えられます。

正常な個体では上顎犬歯の舌面の誘導面の角度と関節結節後部斜面の角度はほぼ一致しています(D)。矯正治療で、犬歯を舌側に傾けすぎると、犬歯のあたり(干渉)を排除するようなブラキシズムが誘発され、犬歯の異常な唇側への傾斜がひきおこされたり、歯周組織の破壊が生じる場合もあります。

ですから、矯正治療では犬歯の傾斜、位置には細心の注意をはらいながら、、慎重に咬み合わせを作っていく必要があります。
(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 参照)。   

 

小臼歯は下顎の前方保持にもっとも適した歯です。

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今日は、小臼歯が機能的咬合においてはたしている役割について書いてみます。


上顎第一小臼歯の歯根はAに示しますように頬舌的に細長く、しかも近心に向かって湾曲しています。すなわち、後方への力を効率よく支える構造になっています。


また、に示しますように上顎小臼歯舌側咬頭の近心斜面に沿って下顎小臼歯の頬側咬頭が滑走し下顎が後退するのを防止しています。すなわち、上顎小臼歯の舌側咬頭の近心斜面は下顎を前方に位置付けるのに重要な役割をはたしています。


小臼歯や大臼歯など、側方に位置する歯はすべて、下顎を前方に支える働きをすることができますが、下顎を前方に支える反作用として、歯にくわわる力は関節から一番遠い第一小臼歯が最も小さくなります(C)。つまり、もっとも小さな力で下顎を前方に保持することができることから小臼歯がもっとも下顎を前方に支えるのには適した歯である考えられます。


以上のことから、矯正治療において、下顎を前方に保持するという重要な働きを担っている小臼歯を抜歯するか否かの決定する際には、さまざまな要件を検討する必要があります。(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照)。   

大臼歯の咬み合わせが下顎を前方に支えます。

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人間は直立歩行をするため、重力のはたらきで下顎は、本来後方に落ち込みやすい傾向があります。

ですから、矯正治療では後退しやすい下顎を前方に保持できるような咬み合わせをつくることが大切です。これから、数日にわたって、第一大臼歯、小臼歯、犬歯、上顎前歯、下顎前歯の咬み合わせを矯正治療でどのように作っていけば良いのかについて書いてみます。

まず、第一大臼歯のかみ合わせについてです。


A:に示しますようにclassⅠで、しっかりと上下の第一大臼歯をかませることが大切です。下顎第一大臼歯の頬側の遠心咬頭の遠心斜面が上顎第一大臼歯の斜走隆線の近心斜面に接することにより、下顎が後方に落ちこむのが防止され下顎が前方に保持されます。


B:に示しますように上顎第一大臼歯をわずかに近心に回転させ、斜走隆線()の延長線が反対側の第二小臼歯の頬側と舌側の咬頭を通過するようにします。


C:に示しますように、下顎が側方に運動する場合、下顎第一大臼歯の頬側近心咬頭長頂(図中の赤い小さな2つの点)は上顎第一大臼歯の近心辺縁隆線のF1からF2へと動きます。また、上顎第一大臼歯の頬側咬頭は、頬の粘膜を排除するのにも役立ちます。上顎第一大臼歯の近心舌側咬頭(赤い大きなを、下顎第一大臼歯の中心かにしっかり3点接触で咬みこませ咬合を安定させます()。下顎第一大臼歯頬側遠心咬頭()を上顎第一大臼歯の斜走隆線に接触させ咬合を安定させることが大切です。(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照)。  

 

上顎前歯が内側に傾いていて顎が痛いのですが。

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上顎前歯や犬歯が内側に傾斜している上顎前突(classⅡ-2)では関節結節の傾斜は正常な場合(ClassⅠ:上顎前歯や犬歯の傾斜が正常な場合)と比較してきつくなっています。

一方、上顎前歯や犬歯が唇側に傾斜している上顎前突(classⅡ-1)では関節結節の傾斜も、正常な場合(classⅠ)と比較してゆるくなっています。

上顎前歯が内側や外側に倒れすぎているといった不正咬合があってもすべての場合、顎関節に不具合が出るとは限りません。顎関節に問題ない症例では、顎関節と咬合がうまく適応しあって、スムーズな顎運動が可能となっているのです。いろいろな諸要因が重なりあって発症してくるのです。

矯正治療では、審美的な要求から咬合を変化させることも多く、治療により顎運動機能に問題が起こらないか常に注意を払わなければなりません。

すなわち、上顎前歯が内側に倒れすぎているclassⅡ-2で、顎関節症状がある症例では、上顎前歯や犬歯を唇側に傾斜させてやることにより、症状の改善が見られる場合が多く認められます。

一方、上顎前歯が前方に倒れすぎているclassⅡ-1の症例では、上顎前歯、犬歯を内側に傾斜しすぎないよう注意を払う必要があります。 (MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照)。

成長とともに前歯がかまなくなってきたのですが。

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成長とともに前歯がかまなくなってしまう症例(開咬)によく出会います。

このような症例の一例を図に示します。


Aは13歳時ですが口腔内を診てみますと13歳だと、通常、はえているべき第二大臼歯が萌えてこれずにいます。レントゲン写真を撮影してみますと、骨内に歯がひしめきあっていて、すでに萌えてしまっている第一大臼歯が正常な位置より骨から押し出されています。つまり、狭い場所に歯が萌えてこようとする力のために、すでに萌えている第一大臼歯が骨から押し出されてしまっているのです。

Bは15歳時を示します。咬む力が強い方では、咬むj力で臼歯の骨からの押し出しは抑えられるます。しかし、この症例のように咬む力が弱い方では、咬む力によって臼歯の骨からの押し出しが抑えられないため、成長とともに臼歯が骨から押し出されてしまいます。その結果、下顎が時計回りに回転して(奥歯に"アメ"をかんだ状態を想像してみてください。)前歯がかまなくなってしまいます。


このような症例では、早い時期に第三大臼を抜歯し臼歯部のスペース不足を解消してやる必要があります(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 参照)。

なぜ下顎骨は後方に落ちこみやすいの?

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下顎に付着する筋(咬筋、内側翼突筋)や下顎頭や関節円板に付着する筋(外側翼突筋)および靭帯や関節包などの軟組織は全体として、下顎を前方に保持している。こうして、関節円板の中央のくぼんだ部分に下顎頭がきっちり入り込み頭蓋骨にかたちづくられた関節のくぼみの前方に位置している。

直立歩行をしない動物では、重力の働きで、下顎は前方に出やすい。一方、人間は直立歩行をしているので、重力により下顎は後退しやすい。また筋や軟組織による下顎の前方保持機構は強力なものではないので、咬合が不調和になると、下顎は後方に落ち込みやすくなる。

矯正治療により引き起こされる咬合不調和の例として、過度の上顎前歯の舌側傾斜がある。上顎前歯を舌側に傾斜させすぎると、下顎の前歯が上顎の前歯に、異常に接触して、下顎の前方への動きが束縛され、結果、下顎は正常より後方に位置することとなる。この時、生体は筋などの緊張状態を変化させて、保障しようとする。結果、筋の異常緊張が誘発され、、さまざまな顎関節症状の引き金になる場合がある。

咬み合わせを大きく変えていく矯正歯科医の責任は非常に重く、矯正治療Ⅱ際しては、常に下顎の位置の変化に気を配り、注意深く治療を進めることが大切であると考える。 (MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄 著 医歯薬出版より図引用)

咬む力が弱いタイプの下顎前突

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咬む力が弱いタイプの下顎前突では、臼歯部が正常の場合と比較して挺出(骨から押し出されている)している場合が多く下顎は、時計回りに回転しています。
時計回りに回転していながら、それでも前歯部が反対に咬んでいるので治療はとても難しくなります。

治療では、臼歯を圧下(骨に押し込む)し下顎を後方に適応させようとしますが、下顎の反時計回りの回転が誘導され、前歯部の反対の咬みあわせが悪化する方向に進み治療には通常とても苦労します。

そのため下顎の臼歯を後方にかなり移動する必要が生じインプラント(骨に埋め込み、歯を動かす際の支えとします)などの併用が必要な場合も多く認められます。 (MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄 著 医歯薬出版より図引用)

咬む力が強いタイプの下顎前突

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咬む力が強いタイプの下顎前突では、臼歯部が正常の場合と比較して圧下(骨の中に押し込まれている)されている場合が多く下顎は、反時計回りに回転しています。

治療では、臼歯の挺出(骨から引き出す)を積極的に行い下顎の時計回りの回転を誘導します。これにより、前歯部の反対の咬み合わせはかなり改善されます。

また、前方に向かって倒れてきている下顎の臼歯を後方に直立させ、下顎前歯を後方に移動する場所を作ります。

このように、下顎骨の時計回りの回転と下顎前歯の後方移動ににより前歯部のアンテリアガイダンス(前歯部のかみ合わせ)を確立します。

咬む力が強いので臼歯でしっかり咬む力が支えられような咬み合わせにしておく必要があり、もし歯周病や咬合性外傷で臼歯が喪失した場合、前歯に過剰が負担がかかりやすく反対咬合が再発する心配もあります(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄 著 医歯薬出版より図引用)

咬む力が弱いタイプの上顎前突

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咬む力が弱いタイプの上顎前突では、成長とともに下顎が後方あるいは下方に成長する傾向があります。

下顎が後方に成長する傾向がある患者様で下顎の小臼歯を抜歯しますと、下顎前歯が後方にさがりすぎ、下顎前歯と上顎前歯の間にすきまが残ってアンテリアガイダンス(前歯の被蓋)が達成できない可能性が高くなります。

咬む力が弱いために臼歯部は通常、顎の骨の中から過剰に押しだされています。
治療では、臼歯の圧下(骨に押し込む)を積極的に行い下顎の反時計回りの回転を促進し結果として下顎の前方への成長を促します。同時に上顎臼歯を後方に起こしながら前歯を舌側に移動し前歯部のアンテリアガイダンスを確立します。

咬む力が弱いので、治療後も臼歯がまた元のように骨から押し出された状態になりやすく、せっかく確立したアンテリアガイダンスが再び失われやすい症例です。

一方、咬む力が弱いので、臼歯の咬合性外傷は生じにくいと考えられるますが、厳しい症例では、上下の前歯がまったく咬まないため(開咬)、臼歯に力が集中し、歯周病が同時進行すると、歯が容易に失われてしまうので注意が必要です。(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄 著 医歯薬出版より図引用)

咬む強いタイプの上顎前突

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咬む力が強いタイプの上顎前突では、臼歯部の咬合力負担能力を減少させないため極力、小臼歯の抜歯はしません。

咬む力が強いために臼歯部は通常、顎の骨の中に過剰に押し込まれています。
治療では、臼歯の挺出(骨から引き出す)を積極的に行い下顎の前方への成長を促します。

同時に上顎臼歯を後方に起こしながら前歯を舌側に移動し前歯部の突出感を改善し上顎前歯が下顎前歯と正常にかめるようにします。

咬む力が強いので上顎前歯に過剰な力が作用することが多く、臼歯が喪失した場合、その傾向が助長されます。歯周病が同時に進行すると、歯が失われてしまう場合が多いので生涯にわたり、注意が必要です。(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄 著 医歯薬出版より図引用)

8020達成者に学ぶ

厚生労働省が、平成18年6月2日に発表した平成17年度歯科疾患実態調査によると、80歳で20本以上の歯を有するものの割合が初めて、20%を超えたということである。

歯を可能な限り残していこうという歯科医の努力と、口腔衛生観念が広く世の中に浸透しつつある結果であると嬉しい限りである。
一矯正歯科医として、治療を通して患者様が生涯、ご自分の歯でかめるよう手助けして差し上げたいと常日頃より考えている。

歯周病に罹患した状態で歯に外傷を引き起こすような無理な荷重が作用すると病態が急速に進行し歯が失われることとなる(咬合性外傷)。
咬合性外傷に罹患しないような咬合を育成し、管理することが矯正歯科医に現在求められている。

食物の咀嚼時や、くいしばりなどの異常機能時にも歯に咬合性外傷が生じないためには前歯部の咬み合わせ(アンテリアガイダンス)の達成がとても重要である。8020達成者はみなアンテリアガイダンスがあるのも事実である。

そこで明日からは矯正治療におけるアンテリアガイダンスの達成について書き留める。

咬む力が弱い人

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咬む力が非常に弱い患者様では、写真の様に、上の前歯が下の前歯にかぶさっていない場合が多く見受けられます(前歯の被蓋が浅い)。このような症例をハイアングル症例といいます。

このような症例では下顎が下方、あるいは後方に成長する傾向があります。
成長とともに下顎が後退する傾向のある患者様の治療に際し、下顎の小臼歯を抜歯しますと下顎前歯がさらに後方にさがりすぎる場合が多く認められます。

ですから上顎のみ小臼歯を抜歯して上顎の前歯を内側に移動し、下顎の小臼歯は極力抜歯はせずに、前歯の正常な被蓋を改善するよう努めなければなりません。

咬む力がつよい人

20060610_1.jpg 咬む力が非常に強い患者様では、写真の様に、上の前歯が下の前歯にかぶってしまっている場合が多く見受けられます(前歯の被蓋が深い)。

このような症例をローアングル症例といいます。

治療に際して、小臼歯を抜歯しますと、咬む力を支える歯の数を減らすことになり、ますます咬み合わせは深くなる傾向があります。

このような方では、極力抜歯はせずに、前歯の正常な被蓋を改善するよう努めなければなりません。

顎が側方に動いたとき奥歯がかみ合うとなぜ関節に無理がかかるのでしょうか?

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顎を側方に動かした時、動いた側の奥歯がかみ合っている方、おられませんか?

この位置でクレンチング(歯を食いしばる)などの習癖がある方では、顎を動かした側の関節が脱臼(はずれる)しやすい傾向があります。なぜでしょうか?

左右の下顎頭と上下の歯がかみあう点(咬合点)をむすんで三角形を作ります。
多くの筋肉(咀嚼筋)が作り出す力の合力により、下顎が閉じます。

顎を右に動かして、犬歯の部分でクレンチングしている場合を考えます(図左)。
上向きの合力が三角形の中に働きますので左の顎関節を支えとして犬歯と右の顎関節はは押し上げられることとなります。

一方、顎を右に動かして奥歯の部分でクレンチングしている場合(図右)では、上向きの合力が三角形の前方にずれて働きますので奥歯と左顎関節を結ぶ線を中心として三角形が後方に回転して右顎関節は関節の受け皿から外れるように下方へ引かれます。

以上より、顎が側方へ移動した際には犬歯でかみ合い、奥歯が当たらない状態が関節にとって好ましいといえます。(新潟歯学会誌31(1):1-8,2001 河野正司 より図引用)

顎を左右に少し動かしてみてください

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奥歯をかみあわせたまま、顎を左右に少しだけ動かしてみてください。
口を大きく開けてしまってはいけません。

この時、上下の、どの歯どうしがかみあっていますか?
犬歯(前から数えて3番目の歯)だけがあたっていますか?
上下の奥歯は、あたっていませんね(図)。このようなかみあわせがもっとも
健全です。

この時、奥歯もつよくあたっている方は、顎関節に無理がかかっている
可能性もあります。

というわけで、矯正治療では、以下の様なかみあわせに仕上げます。

 ①奥歯がしっかりかみあっている時、上下の前歯は、ほんの少しかみ合わない。
 ②左右に顎が移動した際に、上下の犬歯だけがあたり、その他の歯はかみあわない。

こうして、生体にとって、もっとも健全なかみあわせができあがるのです。

奥歯をかみあわせてみてください。

20060609_1.gif 奥歯をかみあわせてみてください。上と下の前歯が強くあたっていませんか? もし、あなたがこのような状態だと食事の時や、くいしばり(歯を強くかみしめる癖)時に、歯に無理な力が加わっています。 歯に力が作用すると無理な力が加わらないところまで動いてしまいます。その結果、歯並びが乱れてまいります。 ですから、矯正臨床では、歯に無理な力が加わらないような位置に歯を並べます。すなわち、しっかり臼歯が咬んだとき上下の前歯は、ほんの少し咬みあわない様に仕上げます。こうすることにより、強い筋力(矢印)が作用したときも、臼歯が支えてくれて、前歯を保護します(図)。 (MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄 著 医歯薬出版より図引用)

 

はじめまして

はじめまして。長崎市にて矯正専門で開業しております井口です。
矯正治療について、毎日小さなテーマをみつけて、できるかぎりわかりやすく、簡潔に書きとめてまいりたいと思います。このブログをお読みいただくことで、すこしでも矯正治療についてご理解を深めていただければ幸いです。ご意見、ご感想をお待ちしております。