low angle class2の咬合再構築

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この、骨格パターンでは、上顎臼歯部の垂直高径が増加せず上顎咬合平面が急傾斜を示しています。上顎臼歯が低位にあることから、咬合支持が喪失し、下顎は前方に適応できず、オーバーバイトが大きい下顎が後退した骨格性Ⅱ級の不正咬合になっています(a)

治療では上顎臼歯部のディスクレパンシーはあまり大きくないことも多く、垂直高径を増加することが困難なため第三大臼歯や第二大臼歯の抜歯は通常おこないません。

上顎骨は水平的には余裕があり、前歯部には空隙が見られることも多いので、この空隙を閉じて唇側に傾斜した前歯を舌側に傾斜させます。

下顎の大臼歯は低位にある上顎大臼歯に適応して過剰に萌出している場合が多いので、圧下したり第三大臼歯を抜歯してできたスペースを利用して遠心に直立します。

圧下および遠心に直立した下顎臼歯とかみ合うように上顎臼歯を挺出させ、上顎咬合平面を平坦化します。これに伴い下顎は前方に適応してまいります。(b)(c)(d)


さらに、上下顎の小臼歯部を挺出し垂直高径を増加させ咬合を安定化させます(e)
(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照) 

high angle classⅡの咬合再構築

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この、骨格パターンでは、上顎臼歯部の垂直高径が増加せず、上顎後方部咬合平面が急傾斜しており、その結果、低位にある上顎臼歯と咬み合うために、下顎臼歯部が正常より挺出しています。下顎枝の垂直方向の成長は正常より劣っているため下顎下縁平面が急傾斜を示すhign angle caseとなっています。急傾斜した上顎後方咬合平面に適応して下顎は後退し、顎関節障害に陥りやすいタイプです(a)

治療では上顎前歯を後方移動するためのスペースを確保する目的で、上顎第三大臼歯あるいは、上顎第二大臼歯を抜歯して、前方方向に傾斜した小臼歯、大臼歯を遠心に直立します。また急傾斜した上顎後方部咬合平面を平坦化するために、上顎臼歯部を積極的に挺出します。大臼歯の抜歯に関して、上顎第三大臼歯が低位にある低年齢では、抜歯が困難ですので、第二大臼歯を抜歯します。第三大臼歯の傾斜や歯根の形成程度を評価して、正常に萌出できる可能性が大きい場合は、第二大臼歯を抜歯します。(b)

下顎では上顎同様の方針にしたがって下顎第二大臼歯か下顎第三大臼歯の抜歯後に臼歯部の遠心直立および積極的な臼歯部の圧下をおこない後方部咬合平面を平坦化して下顎を前方に適応させます(c)

また、上下顎小臼歯部も積極的に挺出させ、垂直高径の増加をはかり、上顎第一小臼歯の舌側咬頭近心内斜面に下顎の後方運動時のガイダンスを与えることにより、後方に転位した下顎を前方に適応させます(d)

さらに、咬合平面を平坦化するために上顎臼歯の積極的な挺出をおこない、咬合支持を安定化して治療が終了します(e)
(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照) 

low angle classⅢの咬合再構築

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この、骨格パターンでは、かむ力が強く、上顎臼歯部の垂直高径が増加せず上顎後方咬合平面が急傾斜を示しています。上顎臼歯が低位にあることから、咬合支持が喪失し、下顎は過剰に前方回転し反時計まわりに回転して、オーバーバイトが大きい反対咬合になっています(a)

上顎臼歯部のディスクレパンシーはあまり大きくないことも多く第三大臼歯や第二大臼歯を抜歯しなくてすむ場合も多いようです。

下顎の大臼歯は低位にある上顎大臼歯に適応して過剰に萌出している場合が多いので圧下したり遠心に直立して下顎前歯を舌側に傾斜させるのに必要なスペースを創るために第二大臼歯あるいは第三大臼歯を抜歯します。大臼歯部の咬合干渉を除去してやることで下顎が後方に適応してきます(b)

さらに、上下顎の大臼歯咬合面にレジンなどの樹脂を盛り、咬合をあげて小臼歯を挺出させ、上下顎小臼歯の咬合接触が得られれば大臼歯に盛ったレジンを徐々に除去しながら臼歯の緊密な咬合を確立します。すなわち、大臼歯および小臼歯を積極的に挺出して下顎の時計回りの回転を生じさせるわけです(c,d,e)
(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照)

 

high angle classⅢの咬合再構築

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この、骨格パターンでは、上顎臼歯部のディスクレパンシー(臼歯部での歯の配列スペースの不足)が大きいので、臼歯が正常より歯槽骨から押し出されて咬合平面が平坦化しています。また下顎枝の垂直方向の成長は正常より劣っているため下顎下縁平面が急傾斜を示すhign angle caseとなっています(a)

治療では上顎臼歯部のディスクレパンシーを解消し、押し出し現象により平坦化した咬合平面を急傾斜にし下顎を後方に適応させます。

上顎臼歯部ディスクレパンシー改善のために上顎臼歯部の抜歯が必要となります。
低年齢では上顎第三大臼歯は低位にあるので抜歯が困難です。第三大臼歯の傾斜や歯根の形成程度を評価して、正常に萌出できる可能性が大きい場合は、第二大臼歯を抜歯します。
年齢があがるにつれて第三大臼歯も徐々に萌出してきますが、その位置や方向が異常で萌出の可能性が低い場合は第三大臼歯を抜歯して、臼歯のディスクレパンシーを改善します。(b)

下顎臼歯部についても、上顎と同様、低年齢の場合は通常、第二大臼歯、年齢がうえの方では通常、第三大臼歯を抜歯します。す。下顎第二大臼歯か下顎第三大臼歯の抜歯後に、前方に倒れこんだ臼歯を遠心(後方)に直立をおこないます。できたスペースを利用して下顎前歯を後方におこし、下顎自体の後方適応とあいまって反対咬合が改善します。この時点では、臼歯部は開咬の状態になります(c)

さらに上下顎小臼歯部を圧下することにより、前歯部の被蓋を深くし、臼歯開咬を改善します(d)

第二大臼歯を抜歯した場合は、第三大臼歯が正常に萌出まで経過を観察して、治療が終了します(e)
(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照)

 

垂直方向と前後方向の骨格形態による不正咬合の分類

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臨床で遭遇する不正咬合は多種多様ですが、垂直方向と前後方向の骨格形態により分類することができます。

図に示します下顔面角(LFH)(∠ANS-Xi-PM)は、下顎枝高径(下顎の後方部分の高さ)の増加と歯の挺出による歯槽骨の高径の増加のバランスで決定されます。下顎枝高径が増加し、下顎骨成長の前方成分が垂直成分より勝る場合、LFHは小さくなります。

一方、歯の挺出による歯槽骨の高径の増加で下顎の時計まわりの回転が引き起こされ下顎は後方へ回転しLFHは大きくなります。すなわち、下顎枝高径増加はLFHへの負の要因、歯の挺出はLFHの正の要因といえます。

LFHの日本人の平均値は49°です。平均より小さい症例をlow angle case,大きい症例をhigh angle caseといいます。

上下顎骨の前後的位置関係から下顎前突、上顎前突がありますので、垂直方向の骨格形態(LFH)とのかけあわせで不正咬合は以下の4つに分類されます。

①下顎前突low angle case
②下顎前突high angle case
③上顎前突low angle case
④上顎前突high angle case

明日からは、それぞれの不成咬合の治療目標、治療手順について書いてまいります
(MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照)