PMTC ( Proffesional 専門家による Mechanical 機械的 Tooth 歯面 Cleaning 清掃)の手順
毎日すみずみまで磨いているつもりでも、どうしても歯ブラシの届きにくい所、汚れがたまりやすい所ができてしまいます。この部分のお掃除を徹底的に行うのがPMTC(専門家による機械的歯面清掃)です。
患者の皆様の日々の歯のケアの不足部分をPMTCによる歯の徹底的なケアで補ってはじめて美しい歯の健康が回復し維持されます。
本日はPMTCの手順について紹介いたします。
①ウ蝕検査
○ジーシーサリバチェックミュータンスによる、う蝕原因菌数の検査
○ジーシーサリバチェックIgAミュータンスによる菌の歯への付着しやすさの検査
○ジーシーサリバチェックによる唾液の緩衝能の検査
をおこない、う蝕リスクを判定します。これについては後日紹介します。
②歯周病検査
○従来の歯周病検査(歯周ポケット検査、歯の動揺度検査、プラーク付着検査)、プラークは口腔内カメラMIHARUのプラークモードでプラークの付着状態を確認します。
○バナペリオによる歯周病菌数の検査】 を行い歯周病のリスクを判定します。
③歯石除去
超音波スケーラー(A)やハンドスケーラー(B)を用いて、歯肉縁上および歯肉縁下の歯石をを除去します。
③歯の清掃
○フロス(A)およびプロフィンハンドピース(B)により歯の隣接面の清掃および研磨をおこないます。
○コントラアングル+プロフィーカップ&ブラシによる頬舌面、咬合面の清掃および研磨をおこないます。
図は歯界展望 MOOK PMTC より
④歯面および歯周ポケット内の洗浄
ACI-DENT(アシデント)(A)という機器を用いて精製したハイクロソフト水にネオステリン・グリーン液(B)(日本歯科薬品、成分(100g中 塩化ベンゼトニウム液(10%)…2.00g)を混ぜた弱酸性水により、患者様にうがいをしていただきます。
また、同液をシリンジにつめて、歯周ポケット内を洗浄(C)します。
⑤フッ化物塗布
仕上げに、歯質強化の目的でフッ化物(フロアゲル、2%NaFにリン酸を加えて酸性にしたもので歯に取り込まれやすくなっています。)を塗布します。
歯周病の検査法2(バナペリオ)
矯正治療を開始し装置を装着しますと、どうしても歯磨きが難しくなり磨き残しの部分に歯垢が蓄積します。
歯垢は細菌の塊で、細菌が歯周組織に侵入し、白血球との戦いの結果、歯周組織が破壊され、歯周病が進行します。
歯周病の直接的な要因であるグラム陰性細菌(Porphyromonas gingivalis, Treponema denticola 及びPannerella forsythia )が歯垢内にどの程度存在しているかを簡便かつ迅速に判定するキットが『バナペリオ』です。
『バナペリオ』を使用すると、チェアサイドで簡単に歯周病原菌の存在を調べることができます。
歯肉縁下の歯垢を採取し(A),バナカードの検体塗布膜に塗りつけ(B)、判定膜を綿球を蒸留水で湿らし、バナカードを折り目から内側に折り曲げ検体塗布膜と判定膜を反応させます(C)。バナプロセッサーにバナカードを入れ、55℃5分間、反応させ(D)判定膜に青色反応があれば陽性です(E)。
上図に示すように検体中にグラム陰性菌が存在しますと、これらの菌が特異的に有しているBANA分解酵素が検体塗布膜中のBANA基質を分解してβーナフチルアミドが生成します。これが判定膜中の発色剤と反応して、青色化合物が生成するのが、測定原理です。
反応で陽性の場合には、特定の抗生剤を処方し菌の減少をはかったり(歯周内科療法)、定期的に徹底的なクリーニング(PMTC)を行い、理想的なお口の中を保つようにします。 図は白水貿易のホームページを参照いたしました。
歯周病の検査法1(従来からの方法)
歯周病がどの程度進んでいるかを調べる従来の検査方法について、まとめます。
歯周ポケット検査(A)
歯と歯ぐきの境目から歯周ポケットの深さを測る器具を挿入して、ポケットの深さを測定します。ポケットが深ければ深いほど、歯周病が進行している可能性があります。ポケットの深さを測る際の出血の有無も調べます。
歯の動揺度検査(B)
歯をピンセットで挟んで動かしてみて、歯の動揺度を確認します。
動揺度の評価には、通常 Millerの分類法(D)を用います。
0度 : 生理的動揺(0.2mm以内)
1度 : 頬舌的にわずかに動揺(0.2~1mm)
2度 : 頬舌的に中等度、近遠心的にわずかに動揺(1~2mm)
3度 : 頬舌的、近遠心的のみならず、歯軸方向にも動揺(2mm以上)
歯軸方向に歯が動く場合、歯を支えている組織がほとんどなくなっています。
プラーク付着検査(C)
磨きにくいところが把握するためにプラークの付着状態を記録します。
歯周ポケットの深さ、歯の動揺度、出血の有無を患者様ごとにデータベースに記録します。沼田 憲男氏製作のフリーソフト oral 8を使用すると便利です。 歯周検査書を印刷して、患者様にお渡しすることが可能です。
プラークの付着状況は、同じく沼田 憲男氏製作のフリーソフト oral fiveを使用してデータベースに記録します。磨き残し検査書を印刷して、患者様に手渡します。
矯正治療中の皆様!歯周病になっていませんか?
矯正治療中の皆様!歯周病になっていませんか?矯正治療中は、お口の中にいろいろな装置がついていて、どうしても歯磨きがしづらくなります。歯垢がたまりがちです。歯周病にかかりやすい環境にあるのです。
歯周病は虫歯とちがって、痛みなどの自覚症状出にくいため、つい手遅れになりがちで、気がついた時には、病状がかなり進行していることが多く、大切な歯が抜けおちてしまったり、体調が悪くなって、健康状態にも悪影響を及ぼします。
そんな最悪の事態を招くことがないように、まずは、お口の中の状態について、以下の項目をチェックしてみてください。
○朝起きたとき。口の中が、ねばねばする。
○歯垢(プラーク、白いどろどろした汚れ)や歯石(プラークが石灰化して硬くなったもの)が沢山、歯についている。
○歯肉が赤く腫れている。
○歯ぐきを押すと血や膿がでる。
○歯を磨いたら血がでる。
○歯がしみる。
○歯の根っこが露出して歯が長くなったように見える
○歯がぐらぐらする。
○前歯が前にたおれてきて出っ歯になってきた。
○歯と歯の間に食べ物がはさまりやすくなった。。
○硬いものがかめない。
○口臭がする。
さあ、皆様いかがでしたか?
矯正治療中の皆様は、矯正治療を始められる前にくらべて、歯についての関心も強くなり、人一倍、歯を大切にしていただいているものと思います。ですから、歯周炎にはなっていないと信じております。
でも、チェック項目のうちで1-3項目にあてはまるものがあるとしたら、すでに歯肉炎か軽度の歯周炎、また4-6項目が当てはまるとしたら、中等度の歯周炎、それ以上、当てはまるとしたら重度の歯周炎の可能性が高いと考えられます。
歯周炎は、『単なる口の中の病気』と考えておられる方も多いと思います。歯周炎は全身の健康状態をも左右するほど重大な病気なのです。
矯正治療中におそろしい歯周炎にかかることがないよう、皆様、歯の手入れを毎日、確実におこなってください。
歯周病をひきおこす要因
歯周病を引き起こす要因は、直接の要因と2つのリスクファクター(危険因子)の3つに大別されます。
直接要因は歯に沈着するプラーク(歯垢)です。
リスクファクターの一つに『口腔内の環境』などの局所要因があります。
歯石:プラーク(歯垢)に唾液中のカルシウムやリン酸などが沈着すると歯石になります。歯石や歯石に付着した歯垢が、歯肉と歯の根の間の、いわゆるポケットの中に侵入していって、毒性のつよい細菌が繁殖をくりかえすことによって、歯周病が進行します。
歯並び:歯並びが悪いと、ブラッシングが難しい部分ができて歯垢が蓄積します。
不適合な補綴物:歯と補綴物の適合の悪い部分に歯垢が蓄積します。
不良習癖 :歯軋りなどで歯に無理な力が作用し同時に炎症が存在すると歯周病が悪化します。口呼吸などがあると粘膜が乾燥しやすくなり唾液の歯垢洗浄作用も減弱され歯周病が進行しやすくなります。
リスクファクターのもうがあると一つは『生活習慣』などの全身的要因です。
喫煙:喫煙は血管を収縮させて歯肉の血行不良をひきおこします。そのため、歯周病細菌に対する抵抗力が低下し歯周病を重症化させます
ストレス:精神的ストレスによって体の抵抗力が弱くなったり、生活習慣(ブラッシング、喫煙、食生活など)が変化したりすることで歯周病が悪化しやすい状態になります。
遺伝:生まれつき免疫応答機能に問題があると歯周病が進行しやすくなります。
女性ホルモンの影響:プロゲステロンとよばれる卵巣ホルモンは炎症をひきおこすプロスタグランディンの産生を促進し炎症が促進されて歯周病が進行しやすくなります。思春期性歯肉炎や妊娠性歯肉炎などの発症にはホルモンの作用が関与しています。
糖尿病;糖尿病になると細菌感染に対する抵抗力が低下し、歯周病が悪化しやすい状態になります。
肥満 :太りすぎると糖尿病などが発症し歯周病が悪化します。
老化:年をとるにつれて免疫機能が低下し歯周病に対する抵抗力が低下します。
最近の研究で、歯周病細菌が血液の中に入って体の中に運ばれ、心臓病や肺炎などの病気を引き起こすリスクファクターになっていることがわかってきました。歯周病予防や早期の治療は全身の健康のためにも大切です。
LIONホームページ等を参考にまとめました。図はLIONのホームページより引用しております。