スピーの彎曲、ウイルソンの彎曲の役割??
スピーの彎曲、ウイルソンの彎曲はともに臼歯部に存在する彎曲で、強くなると下顎が前方運動や側方運動した際に臼歯が離開しにくくなります。
スピーの彎曲は下顎の犬歯の尖頭から、小臼歯、大臼歯の咬頭をむすんだ彎曲です。彎曲の強さ(スピーの彎曲の半径)は下顎頭から咬合平面までの距離(DPO)に逆相関しています。すなわち、DPOが短い乳歯列期では、スピーの彎曲の半径は長くなり、スピーの彎曲は弱いのですが、成長とともにDPOが長くなるにつれスピーの彎曲の半径は短くなりスピーの彎曲は強くなってまいります。このように成長につれて、スピーの彎曲が変化することにより、偏心運動(前方や側方運動)における臼歯の離開程度が調節されているのです(A)。
ウイルソンの彎曲は左右の頬舌咬頭を連ねた側方彎曲です。
犬歯、第一小臼歯部で上に凸、第二小臼歯部で直線的、第一大臼歯、第二大臼歯部で下方に凸になっています(B)。
下方に凸の彎曲が強くなるほど、ウィルソン彎曲が強いと定義しています。彎曲が強いと臼歯のオクルーザルガイダンス(下顎臼歯の頬側咬頭が滑走する上顎臼歯の頬側咬頭の舌側斜面)の傾斜が緩やかになり、偏心運動時に臼歯が離開しにくくなります。
ブラキシズムなどの異常な偏心運動時に臼歯が離開しないと、閉口筋の活動が高まり関節にも無理がかかります。ですから、偏心運動で臼歯が離開しにくい症例では、臼歯が離開しやすいように、矯正治療でスピーの彎曲やウィルソン彎曲を弱めに調整する必要があります。 (MEAWを用いた矯正治療Ⅱ 佐藤貞雄著 図参照)。
- 投稿者:andy
- 日時:00:05
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