食品の性状による咀嚼経路の変化

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図:筒井昌秀、照子 著 クインテッセンス出版 包括歯科臨床より

豆腐などやわらかい食品では咀嚼経路の側方移動量は少なくストローク幅の狭い、上下運動が主体の軌跡を描きます(B 上段)。

一方、スルメなどの硬い、繊維性の食品では、咀嚼経路の側方移動量は大きくストローク幅が広く側方運動の要素の多い奇跡を描きます(B 下段)。

食品の性状の違いに生じる咀嚼経路の違いをわかりやすくAに示しています。

食品の性状が違うと、なぜこのように咀嚼経路が違ってくるのでしょうか?食品の性状が違うと歯や歯根膜に作用する力や衝撃にも差が生じ、この差が感覚入力の差を生み出し、歯や歯根膜に分布する感覚神経を介して中枢の咀嚼をつかさどるパターンジェネレータに伝えられます。入力の変化により出力が変化しその結果、咀嚼筋の活動が制御され、個々の食品の性状に応じた最適な咀嚼運動が営まれていると考えられます。

もし、Cに示すように、下顎臼歯の頬側咬頭が上顎臼歯にぴったりはまり込み、ゆるみやアソビがまったくないような窮屈な咬合を矯正治療で作り上げたとしたらどうなるでしょうか?生体の感受性にもよりますが、歯が干渉をうけて移動するか、歯が移動しなければ顎が干渉を避けるように動いて、関節の感受性が強い方では、顎関節症が発症するかもしれません。

ブラケットを装着して歯を3次元的に、ほぼ自由に移動することができるようになった現在、歯をどこに移動するかということが問われる時代になっていると思います。

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